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お薬の服用・使用に関するご質問

お薬の服用・使用に関するご質問

2-1 「食間」っていつ頃の事ですか?
「食間」とは、食事の約2時間後、つまり食事と食事の間(胃が空っぽの状態)をさす言葉で、食事の最中に薬を飲むということではありません。食事によって効果に影響を受けやすい薬や漢方薬、胃が荒れた時に使う薬などが、この「食間時の服用」にあてはまります。
2-2 一般的に、「冷シップ」と「温シップ」はどのように使い分ければよいですか?
好みによっても異なりますが、原則としては、打撲(うちみ)、ねんざなどで腫れがひどく、患部が熱を持っている、主として急性期の症状の場合は、患部を冷やすことが、炎症を抑え、痛みを鎮めることにつながりますので、「冷感タイプ」の湿布薬のご使用をおすすめします。
また、腰痛、肩こりなど、疲労や血行不良が原因の、主として慢性的な症状の場合は、患部を温め血行をよくすることにより、痛みをやわらげますので、「温感タイプ」の湿布薬の使用をおすすめします。
上記のどちらとも言えない症状の場合には、冷やすと『気持ちがいい』方には、冷感タイプ、お風呂に入ると『気持ちがいい』方には温感タイプをお使いになると効果的でしょう。
2-3 市販の風邪薬などでは、同じ薬でも、よく顆粒タイプと錠剤タイプの両方が売られていますが、効果に差はありますか?
顆粒タイプと錠剤タイプでは、薬としての効果にさほど差はありません。
一般的に顆粒タイプの方が、消化管からの吸収が早いので、効き目が少し早く現れますが、実際に服用される方の飲み込みやすい剤型で選んでいただければよいかと思います。
2-4 二日酔いで頭痛がひどいのですが、市販の鎮痛薬を飲んでもいいですか?
二日酔いは、アセトアルデヒドやその酸化物の毒性、アルコールの脱水作用、エネルギー不足、体液の酸性化、低血糖などの要因が複合して引き起こされます。そして、二日酔い特有の激しい頭痛は、一般的な頭痛とは異なり、アルコールの脱水作用により脳の細胞に含まれている水分が少なくなり、縮んでしまうために起こります。この脱水状態は水分の補給により回復しますが、市販の鎮痛薬では二日酔いの頭痛にはあまり効果がないようです。
2-5 同じ症状で以前家族が飲んでいた薬があるのですが、それを飲んでもいいですか?
病院での診察に基づき出された処方薬は、その時のその人の症状にあわせて、医師が選んだものです。一見同じ症状だとしても、原因や自覚のない症状が異なれば、当然必要な成分も違ってきます。また、残っていた処方薬を飲むことによって、逆に症状が悪化したり、思わぬ副作用が出ることにもなりかねませんので、決して気軽に服用しないでください。
2-6 粉薬は苦手なのですが、錠剤に替えてもらえますか? あるいは、自分で市販のカプセルにつめかえて飲んでも大丈夫ですか?
同じ成分または同じ効能・効果を有する医療用医薬品で錠剤やカプセル剤などの剤型があれば、 医師に確認した後であれば剤型変更する事が可能です。ただし、お薬によっては、体内での吸収や代謝、排泄などに影響が出る場合もありますので、ご自分で市販のカプセルにつめかえる場合は、必ず事前に医師や薬剤師にご相談ください。
なお、粉薬が苦手な方や、お薬を上手に飲めない方のために、「服薬ゼリー」が市販されていますので、そちらをご利用になるのも良いかもしれません。
2-7 風邪薬を飲んでいますが、胃があれた感じがします。市販の胃薬を一緒に飲んでいいですか?
市販の胃薬と一緒に飲むことによって、効果・吸収・排泄に影響が出る場合がありますので医師や薬剤師にご相談ください。
2-8 風邪薬をビタミン剤やドリンク剤と一緒に飲むと、風邪薬の効き目が増すと聞いたのですが本当ですか?
複数の要因から、結果的に良い方向に作用するといったことは考えられると思います。
とくに風邪薬自体の効き目が増すということはありませんが、ビタミン剤やドリンク剤の中に含まれているビタミンCは、風邪のウイルスの核酸を破壊してウイルスを殺すなどの作用がありますし、ビタミンAは鼻やのどの粘膜を丈夫にする作用があります。また、生薬やタウリンなどは滋養・強壮の効果があるので、食欲がないときや、疲れがたまっているときには良いかもしれません。
ただし、風邪をひいたときには、「栄養」「休養」をとることが一番大事であることを忘れないでください。そして、ドリンク剤に含まれているアルコールやカフェインは、一緒に飲むお薬によっては、頭痛を起こすこともありますので、十分ご注意下さい。
2-9 調剤薬局で頂いた薬を、 市販の薬と一緒に飲んでも問題ありませんか?
処方薬(医療用医薬品)を服用中の患者様が同時に市販薬(一般医薬品、OTC薬)を服用すると、成分同士で作用が強くですぎたり、反対に作用が減弱してしまう場合があります(これを「薬の相互作用」と呼びます)。その結果、医師の期待する効果が得られず、病状の悪化や、副作用の誘発などが懸念されます。調剤薬局で市販薬をお求めになる場合には、薬剤師に服用中の処方薬名を伝えてよく相談して下さい。
2-10 乳幼児でミルクしかのんでいないのですが、「食後服用」とはいつですか?
指示された時間帯(朝・夕や朝昼夕)に食事と関係なく飲むことができます。ただし、乳幼児の場合は満腹時では薬を飲まない事がありますのでその場合はミルクの前に飲ませた方がよいです。
2-11 二剤併用の指示のある目薬の場合、前後にどれくらい時間をあければ良いですか?
一般的には最低5分程度あけることが望ましいですが、薬の種類によっては10分程度あける必要があったり、点す順番がある場合がありますので医師・薬剤師に確認してください。 2種類の目薬を一度に点眼すると、あふれてしまう液が多くなり、通常の薬効が期待できなくなるためです。
2-12 納豆と取り合わせのよくない薬があるときいたのですが?
それは「ワーファリン」というお薬です。
この薬は血液を固まりにくくする作用があり、心筋梗塞や、血栓・塞栓の治療、予防などに使われます。「ワーファリン」で治療中の患者さんが、納豆を食べると、薬が十分に効果を発揮できなくなります。ただし「ワーファリン」以外の血栓予防薬には、このような作用はありませんのでご心配いりません。
2-13 グレープフルーツと取り合わせのよくない薬があるときいたのですが?
血圧を下げる薬のうちの「カルシウム拮抗薬」や、「高脂血症治療薬」、「抗アレルギー薬」、「睡眠薬」などの中には、グレープフルーツと同時に摂らない方がよい薬があります。グレープフルーツに含まれている成分が、薬の代謝に影響する為、血液中の薬の濃度が高くなり、薬が効きすぎてしまうからです。これはグレープフルーツの果肉だけではなく、グレープフルーツジュースの場合でも同じことが起こるので注意が必要です。
2-14 お薬とお茶は一緒に飲んでも大丈夫ですか?
ほとんどの薬は、お茶で飲んでも問題はありませんが、薬の種類によってはお茶に含まれているタンニンと薬の成分と結合して 吸収されにくくなることもあります。基本は、薬は水かぬるま湯で飲むようにしましょう。
2-15 血圧や高脂血症の薬は、ずっと飲み続けなくてはいけないのでしょうか?
医師からの指示の結果、検査値がよい状態が続けば、減量したり、一時休止したりすることも可能ですので、食事や運動等にも気を配り、服用を続けて下さい。
2-16 水なしで錠剤を飲んでもいいですか?
薬が吸収される為には、薬が溶けた状態でなければなりません。水がなければ溶けにくいので、吸収が遅れ効果も現れにくくなってしまいます。場合によっては、溶けずにそのまま便の中に出てしまうこともあります。
また水には、薬を飲み込みやすくするという役目もあります。水なしでも大丈夫という方でも、通常は水と一緒の方が飲みやすいでしょう。錠剤やカプセル剤を水なしで飲むと、食道に引っかかったり付着したりして、薬が食道内で溶け出してしまい、食道潰瘍をおこすことがあります。また粉薬などでは、気管から肺に入ってしまい、肺炎をおこした例も報告されています。
このような事故を防ぐためにも、普通は十分な水で飲むようにして下さい。特に、飲み込む力の弱っている高齢の方やお子様の場合、服用した後も5分位は横にならない方が良いでしょう。
2-17 指定の時間に薬を飲むのを忘れてしまったのですが、どうすればよいですか?
薬の種類によっても異なりますが、通常は気がついた時点で飲むようにし、次回に飲む時間との間隔を調整して下さい。1日3回と指示された場合は4時間以上、1日2回の場合は6時間以上、1日1回の場合は12時間以上、時間を空けてから飲むと良いでしょう。
ただし、糖尿病の薬の場合は、食事をせずに服用してしまうと、低血糖を起こすことがあり大変危険です。
もし次に飲む時間が迫っている時は、1回分を抜いても構いません。くれぐれも、次の時間にまとめて2回分飲むようなことはおやめ下さい。糖尿病の薬は種類によっては量が多すぎて副作用が発生する場合があります。
どんな薬も、適切な量を適当な間隔で飲むことで効果を発揮します。飲み忘れのないよう、注意して下さい。